主なリフォームの部位は、屋根、外装、内装が上位を占めています。
では、どのような不具合が生じているのでしょう? その割合を示したものが以下の表です。 ひび割れ、雨漏り、性能不足が上位を占めています。
リフォームトラブルの原因と改善策とは?
リフォームのトラブルは増える傾向にあります。
どうしてトラブルが発生するのでしょう?
その要因は、住まい手(消費者)の要因、業者の要因を挙げられます。
ここではその両面から整理し、トラブルを回避する手立てを考えたいと思います。
その前に、まずトラブルの現状を整理しておきます。
①リフォームトラブルの現状
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの統計資料です。
(住宅相談統計年報2023より引用)
薄い水色がリフォームに関する相談で、相談件数は12,243件。
前年度と比べ、10.8%増加し、トラブルに関する相談は64.9%とされています。
「戸建住宅」の場合「木造」に関する相談が84.3%を占めています。主なリフォームの部位は、屋根、外装、内装が上位を占めています。
では、どのような不具合が生じているのでしょう? その割合を示したものが以下の表です。 ひび割れ、雨漏り、性能不足が上位を占めています。
トラブルの苦情の相手は、ほとんどがリフォーム業者(94.0%)となっています。
相談の内容は、「単価や合計金額は適正か」が93.1%、
次いで「工事内容や工事項目は適切か」が 89.8%となっています。
見積金額は、戸建住宅では「100万円超200万円以下」の割合が32.3%で最も高くなっています。
② 依頼者のトラブルの要因
1. 見積りの安さで失敗
数社から見積もりを取り、費用が一番安い業者に依頼
しかし、安っぽい障子が使われ、
満足とは程遠いリフォームになる
安い見積りで業者を選ぶのは危険です。
理由は、業者それぞれ異なる材料を使い、
施行も異なるので、当然見積もりも異なります。
安い見積書にするために、質の悪い素材を使い、手抜き工事で品質を落とすことは、
業者には簡単なことです。
見積りから素材や施工の良し悪しを判断するのは困難です。
安い見積で業者を判断するのはリスクが伴います。
2. 大手に依頼して失敗
TVコマーシャルを出す大手なら安心と判断し、大手に依頼して失敗。
営業は大手でも、実際の施工は下請け会社が行います。
営業マンの人柄を信頼して業者を決めても、
実際の施行は下請け会社がするので、大手だからといって安心はできません。
きれいなパンフレットで判断するもの要注意です。
家の良し悪しは、床下や壁の中など、見えない部分をどう扱うかによって決まると言われています。
見える部分に目をとられ、隠れた部分を見落としてしまうと、快適な家にはなりません。
3. 知り合いの業者に依頼して失敗
知り合いの業者に依頼すると、施工が気に入らなくても、遠慮して思ったことが言えない場合があります。
知り合いだから悪いというわけではなく、希望を具体化し、その希望を業者と共有できるかが大切です。 そして、依頼主の希望が果たして適切なのかどうか、それを判断する業者の力量、その希望を叶える業者の技術力、そういった総合的な視点が大切です。
4. 知人の紹介で失敗
知人とあなたは、趣味やライフスタイル、希望するリフォームは決して同じではありません。知人に良くても、あなたに合う業者とは限りません。
知人にも気を使い、業者に言いたいことが言えなくなる場合もあります。
結局、業者に対して不満が残り、知人と疎遠になった例もあります。
まずは、ご自身で希望を具体化すること。
紹介された業者の提案力、技術力。相性はどうなのか?
色んな視点が必要です。
5. 業者任せで失敗
設計のことはよく分からないので、業者の言うとおり凝ったリフォームをされた方がおられます。
しかし、後に不具合が生じ、再度リフォームを依頼すると、凝ったリフォームだったため、材料がすぐに入らず、修理に時間がかかった事例もあります。
あくまでも主役は依頼人。
自分の希望や必要な情報を整理し、その上で業者に相談する。
あくまでも家に住む人が主役であることが大切です。
6. 思いつきのリフォーム
思いつきでリフォームし、後で新たな修理箇所を発見し、継ぎ足しが必要になり、
見栄えが悪くなり、費用がかさんでしまった事例。
リフォームは家全体との整合性が求められます。
そのためには計画性を持ったリフォームが大切です。
7. 失敗する依頼者の共通要因とは?
u 依存心
大手に頼めば安心だとか、業者に任せれば大丈夫とか、占いに頼るとか、何かに依存して失敗することがあります
u 家に対する責任感の欠如(依存心の裏返し)
自分は客で、業者は満足を提供するのが当然だという発想から、自分の家に対して、責任を負う感覚が乏しくなることもあります。
結局、業者と健全な二人三脚の関係を築けないで、トラブルを招いてしまいます
u 情報不足、希望や計画の曖昧さ
業者は希望に沿ってリフォームします。
希望が曖昧では、結果も不十分になってしまいます。
家はその人の人生設計そのもの。最終的には自己責任が問われます。
他人にすべてを任せられないのが住まい選びです。
そのために、情報不足を補い、希望や計画性を鮮明にして、そこから自分に合った業者を見つけることが大切です。
③ 業者によるトラブルの要因
u 業界の厳しい状況
まず、建築業界の厳しい現状が挙げられます。
2023年5月の建設業の倒産件数は対前年同月比40%増加。
2023年1~5月の5ヶ月合計で見ると前年同期間比37%増加しています。
東京商工リサーチのレポートでは、倒産増加の背景として以下3点が指摘されています
資材価格高騰
人手不足
尚、統計上、「倒産」とカウントされるのは法的整理(裁判所での手続き)がされた会社のみです。
「解散」や「法的整理を伴わない事業停止」は「廃業」とカウントされます。
「倒産」と比べ、「廃業」は件数が多く、建設業の場合、倒産件数の約7倍に上ります。
この廃業件数も2021年から2022年にかけて建設業は増加しています。
そのような背景から業者の受注競争も激しくなり、リフォームのトラブル件数も増えています。
営業が至上命題となり、ユーザーがおろそかにされることもあります。
高い見積書では仕事がとれなくなるため、品質の劣る合板やビニールクロスを使用して、単価を安く見せたり、不利な情報(粗悪な品質)を伝えない、あるいは、工期を短縮し、収益率を上げる結果、手抜き工事が生じることもあります。
u 業者の熟練不足
リフォーム工事は、古い部分と新しい部分の取り合いなど、新築以上の熟練した技術が求められます。この熟練不足が不具合の要因となっています。
u 不十分な施工管理
現場監督が不十分で、図面や契約に沿った施工が行われない場合があります。
その場合、建築会社に都合の良い工事が進められ、
場合によっては、欠陥住宅につながる可能性があります。
u 下請けへの委託
下請け業者は、利用者との関係が薄いため、責任感や家に対する思い入れが弱いとも言われています。
大工の工賃が低く抑えられ、品質の悪い家ができる可能性や間に複数の業者が入るため、
施工費も高くなる可能性があります。
u 連絡不足、コミュニケーション不足
リフォームは工事の途中で、追加や変更が頻繁に起こり、天候に左右されるなど
当初の予定が変わる可能性が高いのが特徴です。
その際、依頼人への変更の連絡不足や充分話し合わず、合意されないまま施工が進んだり、話し合っても文書に残さないことなどから、言った言わないのトラブルが発生します。
また、変更が生じても見積りを作成しないため、後で追加請求のトラブルが発生することもあります。
u その他、契約書の不備など
契約書は、統一された書式が無く、保証やアフターサービスなどが曖昧な場合があります。
不具合が発見されると、後でもめる原因にもなったりします。
契約書の確認が大切です。
まとめ(トラブルを防ぐために)
リフォームは、業者探しから始めるのでなく、まず、ご自身にとって大切な情報をカバーする事、そして、希望をクリアにしていくこと。
そこから、自分に合った業者はだれなのか、検討することが大切です。
自分の考えていた以上の質の高い情報を提供してもらえるかどうか。
デメリットも伝えてもらえるかどうか。
実績、評判、技術力、アフターサービス、相性、予算との整合性など色々な視点を踏まえながら業者選びをするのがトラブルを防ぐポイントになります。
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