ZEH（ゼッチ）とはNet Zero Energy House（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）の略語です。

Netとは、正味のという意味です。

Net Zeroとは、正味ゼロにするということです。

では、何をゼロにするのでしょうか？

それは、Energy（エネルギー）です。

具体的には、

・高断熱・高気密を備え、

・省エネルギー設備を導入し、

・太陽光発電により電力を創出する

そのことで、

・生み出すエネルギー＞生活で消費するエネルギーとなるよう設計されるのがZEH住宅です。

ZEH住宅は、年間の一次エネルギー消費量を正味ゼロ以下にする住宅のことをいいます。

政府は2050年脱炭素社会の実現を目指していますが、

資源エネルギー庁によれば、

2020年にハウスメーカーが新築した注文戸建住宅のうち、約56％が「ZEH」といわれています。

「一次エネルギー」とは、石油や石炭、天然ガス、あるいは、原子力や水力といった発電で生み出されるエネルギーのことです。

そして、その「一次エネルギー」を年間どれだけ消費するのか？

それが、「一次エネルギー消費量」とよばれているものです。

住宅の一次エネルギー消費は、

・冷暖房設備  

・換気設備   

・給湯設備   

・照明設備の４つがあります。

家電など住宅設備以外での消費量は省かれます。

ZEH住宅は、それら設備のエネルギー消費量をゼロ以下にします。

LCCMは「L＝ライフ・C＝サイクル・C＝カーボン（炭素）・M＝マイナス」の略です。

ここで、C＝カーボン（炭素）がM＝マイナスとはどういうことでしょう？

例えば、家を建てる際に、地産地消として現地の木材を使用するのと、

海外の木材を使用するのとでは何が違ってくるでしょう？

海外の木材を使用する場合には、船やトラック、貨車などの長距離輸送が必要となります。

他方、現地の木材を使用すると、トラックなどの短距離輸送が可能となります。

当然、使用される二酸化炭素の量は圧倒的に現地の木材の方が少なくなります。

このように、家を建てる際の資材の運搬や家に住んでいる時、家の解体も含め、

トータルの二酸化炭素の量を抑え、太陽光発電などでエネルギーを生産し、

住宅のライフサイクル全般にわたるCO2の排出量をトータルでマイナスにすることを目指しているのがLCCMです。

政府は地球温暖化対策として、

2030年にはCO2排出量を26％削減（2013年比）することを目標としており、

なかでも家庭部門CO2については約40％の削減目標を掲げています。（平成28年５月13日閣議決定）

政府は「ZEH（ゼロ・エネルギー・ハウス）」をさらに強化し、

長寿命、CO2削減を目標とした「LCCM住宅」を最終目標として位置付けています。