国土交通省の資料によると、先進国における住宅の平均使用年数は、アメリカ55年、イギリス77年に対して、日本は、約30年といわれています。

日本では、高額のローンを払い終える頃には、住宅の価値は無く、新たに建替えているのが現状で、住宅の解体による廃棄物の問題など、環境問題にもなっています。

長期優良住宅とは、

「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の基準を満たした住宅です。

この法律は2009年（平成21年）から施行されました。

長期優良住宅は、従来の３０年スパンで「建てては壊し」を繰り返してきたスタイルではなく、

「いい家をつくって、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の住宅の転換を目的としています。

ポイントとしては、

・優良な住宅をつくること

・手入れしながら長く大切に使うこと、が挙げられます。

近年では、新築戸建住宅の約４戸に１戸が長期優良住宅の認定を取得しているといわれています。

・所得税の住宅ローン控除  

・所得税の投資型減税

・登録免許税の軽減  

・不動産取得税の控除  

・固定資産税の軽減期間の延長 など様々なメリットを受けることが出来ます。

長期優良住宅の認定基準には、必要な9つの性能項目があります。

1. 耐震性能

・耐震等級が３または免震建物であることなど

2. 省エネ性能

・断熱等性能等級が５以上で一次エネルギー消費量等級６であること

3. 維持管理、更新が容易であること

・家の給排水管などは建物の構造躯体よりも早く劣化し、故障します。

それらが容易に修繕できないと家の維持にも支障が生じるため、維持管理の容易性が求められています。

4. 劣化対策

・数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できるよう劣化対策等級３相当などが求められます。

5. 住戸面積

・良好な居住水準を確保するために75㎡以上の面積が求められます。

但し、地域の実情に合わせた引き下げが可能とされています。

6. 居住環境

・良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであることが求められます。

7. 維持保全管理

・定期的な点検・補修等に関する計画が策定され、少なくとも10年ごとに点検を実施することが求められています。

8. バリアフリー性

・将来のバリアフリー改修に対応できるよう、共用廊下等に必要なスペースが確保されていることが求められます。

9. 可変性

・居住者のライフスタイルの変化等に応じて、間取りの変更が可能な措置が講じられていることが求められます。