①重要事項の説明:シロアリと仲介業者の義務

(質問)

中古の家を買った後で、シロアリを発見。

さらに床下の土台が腐っている。天井裏に雨漏りも発見。

仲介業者の責任は?


(答え)原則として責任は無し

仲介業者はシロアリや家の専門家ではありません。

仲介業者の行う調査は、「目視」が基本

目で見て判断できる範囲が仲介業者の責任


シリアリや雨漏りなどの調査などは、

専門家による検査が必要

但し、売主などから聞いて知っていた場合は告知義務があり、

責任が生じます。

さらに、畳の上を歩いていて、床が沈むなど、

土台の異変に気がいた場合にも、

仲介業者は買主に告知する義務があります。


② 特別な注文をした場合

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(質問)

買主が家の購入に当たって、例えば、「シリアリが無いこと」

「雨漏りがしていないこと」など特別な注文をして依頼した場合、

仲介業者にはどのような責任が生じるのでしょう?

 

(答え)条件に該当する家を探す責任がある

仲介業者の責務が発生。

但し、シリアリ調査や雨漏り調査などは、

それぞれの専門家を通して、検査を依頼することになるので、

有償か無償なのか、確認が必要。

この場合、買主による特別依頼合意書という書面にしておくことが必要です。


③ シロアリ駆除をした中古物件

(質問)

シロアリが発生した後に、防虫処理をし、リフォームしました。

では、このリフォーム物件を買った場合、

将来もシロアリの心配はしなくても良いのでしょうか?

 

(答え)決して安心とはいえません

シロアリ被害を受けた部分を駆除しても、シロアリの巣は、

土の中や周りの樹木にあることが多く、根治にはなっていない場合があります。

将来、巣からシロアリが出てきて、再度被害に合う可能性はゼロではありません。

どこまで駆除をしたのか確認が必要です。

中古物件を購入する際には、シロアリ被害の有無を尋ねることも必要。

④ 重要事項の説明:購入後の水漏れ

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(質問)

中古マンションの一室を購入。

入居後すぐにトイレの水漏れが発生。

その後、台所の給水管に水漏れが発生修理。

不動産業者に説明義務違反として、損害賠償を求め、裁判所に訴える。

勝訴したのでしょうか?

 

(答え)敗訴しました

隠れた欠陥まで調査して説明する義務は業者に無い

裁判では、宅建業法35条1項4号にいう

「飲用水、電気及びガスの供給並びに

排水のための施設の整備の状況」についての説明義務は、

これらの施設が整備されているか、

整備されている施設はどのようなものかということにとどまり、

これらの施設の物的状況や隠れた瑕疵の有無、

内容は含まれないと解すべきである。と、判断

よって、隠れた欠陥まで調査して説明する義務は業者に無い

業者はその専門家でも無いことが理由に挙げられることもあります。


⑤ 重要事項の説明:買った物件と深夜の騒音

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(質問)

家を買った後に、深夜に発生する騒音や振動に気がつきました。

仲介業者に調査義務あるのでしょうか?

 

(答え)調査義務は無し

仲介業者は、昼夜を問わず、終日、現地調査をすることは不可能

 

深夜の環境は、売主から聞いて知っている場合を除き、

仲介業者の責任は問えない

⑥ 重要事項の説明:土地の安全性と調査

(質問)

宅地の地質調査、一般的に使われる、

スウェーデン式サウンディング(SS)試験で不同沈下の可能性を

確実に発見できるのでしょうか?

 

(答え)確実に発見することはできない

不同沈下の大半は、SS試験で良好と判定された地盤で、不同沈下と調査の結果が一致していないのが現状。

しかし、この試験で地盤を調査して家の基礎を設計すれば、業者は法的に責任を回避できる。

  不同沈下が生じても責任を問われない


また、瑕疵担保責任の保険金についてみると、

新築住宅を購入し、住宅が不同沈下で傾く場合は、

基礎の設計が原因であれば、瑕疵担保責任の保険金が支払われる。

しかし、地盤調査や補強工事に原因があった場合、住宅ではなく、

地盤の問題とみなされ、保険金が支払われない

 

業者が保険金をもらえず、資力も不十分であれば、

不同沈下を修繕できない可能性もでてきます。


財団法人住宅保証機構では、住宅性能保証制度とセットで利用できる

  「地盤保証制度」(任意加入の制度)を実施しています。


⑦ 売買契約の解除と仲介手数料

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(質問)

中古住宅を購入し、売買契約を交わしました。

その後、他に気に入った物件が見つかったので、

手付金を放棄して契約を解除しました。

この場合、不動産業者に仲介手数料を支払う必要はあるのでしょうか?

 

(答え)支払う必要があります

売買契約が成立したあとで、買い主の事情で契約解除となった場合は、

不動産会社は仲介手数料を請求することができます。

仲介業務の目的は「契約を成立させること」であり、

その業務が完了している以上、不動産会社は報酬を請求できます。

媒介契約書の標準約款にも、

「契約が成立したときは、報酬を請求することができる」と定められています。


⑧ 購入する敷地は 実測? 公簿?

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(質問)

買った土地が、登記の面積より少ない場合、

売買代金の減額を請求できるのでしょうか?

 

(答え)契約の内容によって異なります

1坪(㎡)当たり何円と単価を定めて総額が決められる場合

この場合、数量が指示されているため、面積に不足があれば、

その割合に応じて減額請求できます

他方、土地全体の面積(30坪とか)を表示して金額が決められる場合

この場合、数量が指示されているわけでなく、

単に 面積を契約書に記載したにすぎないということで、

減額請求はできないことになっています。

 

このように、土地を購入する場合、

登記簿上の面積で買うのか、実測面積で買うのかが重要となります。

いずれにしても、登記簿上の面積は実際の面積と一致していないことが多く、

実測の確認が必要です。

 

因みに、1坪は正確には3.3㎡でなく、

業者は、1坪3.305785㎡まで計算しています。
30坪なら、3.30578×30坪=99.1734

これを、1坪、3.3㎡とすると、

30坪なら、3.3×30坪=99㎡ となり、少し少なくなります

逆に、1㎡は、0.3025坪と計算しています。

つまり100㎡は1坪3.3㎡で計算すると30.30坪になりますが、

業者が出せば30.25坪になります。

広告に記載されている坪数や物件紹介の資料に記載されている坪数は

3.3㎡では算出していません。

⑨ 相続と登記

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(質問)

購入を希望する土地が相続物件(相続によって取得する物件)で、

登記がまだ相続人の名義になっていない場合、

売買契約は有効なのでしょうか?

 

(答え)売却自体できません

相続人が自分の名義に変更していない場合、まだ、所有権が確定していないため、

そもそも売却はできません

 

さらに、相続人に相続争いなどがあれば、遺産分割協議がまとまりにくくなり、

だれが所有者になるか定かではありません

名義の書き換えに支障が生じることも予想されます。

 

不動産物件に関しては、売主が本当の所有者かどうか、登記名義の確認が重要です。

登記の確認は、売買契約の前、早めにしておきます。

仲介業者から登記事項証明書を受け取り、名義を確認しておきましょう。

⑩ 近所のトラブルの告知義務

(質問)

売主は、近所であった自殺や隣近所のいがみ合い、

喧嘩による大声など教えないといけないのでしょうか?

また、業者は調査しないといけないのでしょうか?

 

(答え)売主は知らせる義務はありません。

 売主は、自分の家で自殺があった場合には、告知する義務があります。

しかし、自分と関係の無い他人の物件情報を知らせる義務は無い。

業者も調査する義務はありません。

業者は売主の不利益になることを公表できないことになっています。


対策:近所の人から話を聞く

「今、近所で家を買おうと思っているので

少しお話しを聞かせてもらってよいですか?」

と聞くと、教えてくれる可能性があります

 

近所の方に話しを聞くか、聞かないで終わるか?

このことで情報の質はかなり変わります。

⑪ 仮契約と本契約

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(質問)

売買契約を締結して、一部の手付金を支払ったときは「仮契約」で、

残り全額を支払い、物件の引き渡しを受けるときが「本契約」になるのでしょうか?

売買契約に仮契約はあるのでしょうか?

 

(答え)ありません

最初の契約が本契約。契約をキャンセルしようとすれば、支払った手付金の放棄が必要

契約書に記載があれば、違約金の支払いが必要。

不動産の売買契約では特殊なケースを除いて「仮契約」はありません

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